公務員の世界もポスト不足…

天下りがいつまでもなくならないのはなぜ?

2005.04.27 WED

人事院が提出した「天下り白書」によると、2004年に出身省庁と関係のある民間企業に再就職した本省課長級以上の国家公務員の数は86人なんだとか。前年より12人多いということで「小泉首相、行政改革はどうなってるの?」という声も多いが、ここは一つ冷静になって、天下りシステムについて考えてみよう。

そもそも天下りの発生自体は、現行の公務員システムでは避けられない。国家公務員のなかでも、出世コースに乗れるのは「国家公務員I種」に合格したキャリア組だけであるのはご承知のとおり。しかしこのキャリア組だけでもポスト不足なのである。たとえば民間企業では部長職にあたる「本省課長級」というポストも、キャリア組全員が収まるだけの数はない。某キャリア公務員は語る。

「タクシー帰り、徹夜三昧の激務をこなし、しかもそのほとんどはサービス残業です。これでポストにも就けず収入も伸びなければ、何のための国家公務員I種試験なのかわかりません。数を減らせというけれど、現場ではむしろ人手不足なほど。現行の公務員制度では人件費の問題もあるし、単に天下り禁止を叫ぶだけでは組織の腐敗を加速させるだけになる可能性も高い」

様々な批判にさらされるキャリア公務員だが、日本の行政を支えているのも彼らである。ならば、その激務に見合う報奨はあって当然、いやそれがなければ公務員の質の低下さえまねきかねない。

もちろん現状のまま放置すればいいわけではない。天下り批判の多くは、政・官・財の癒着や、退職金の二重、三重のかすめとりにある。こうしたエゴ丸出しの天下りは許されるもんじゃないが、そのことと天下り自体の是非はまた別の話。天下りをきっちり批判するには公務員制度そのものを抜本的に変える必要があるのだ。が、それがすぐにはできない以上、よりマシな天下りを考える議論がもっとあってもいいと思うのだけど…。

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