育児休業の助成制度は廃止に…

少子化対策で施行した「次世代育成推進法」の中身

2005.06.02 THU

R25読者世代の後半生と日本の将来に影を落とす少子化。政府は95年から5カ年計画の少子化対策に取り組み、今年度からは「子ども・子育て応援プラン」を打ち出し、企業に社員の育児支援を促す「次世代育成推進法」も施行した。それでも出生率が下げ止まらない理由の一つには、政府の対策が「骨抜き」であることが挙げられるようだ。

というのも、この春、男性社員が育児休業を取った企業に国が奨励金を支払う助成制度が、結局2年間で1社の利用もなかったことを理由に廃止されたのだ。男性、女性それぞれ1人以上の社員が育休を取得した企業に国が70万円を支給するというこの制度は、政府が少子化対策の柱として設けたものだった。厚生労働省は03、04年度で計528社への支給を見込み、計3億7000万円の予算を計上していたという。

だが、休日出勤の代休ですら取りにくい僕らにとって、長期の育休取得なんてもっと困難。0.44%という男性の育休取得率(03年度)の低さにもうなずける。「制度があっても、この忙しさじゃ上司や同僚に気兼ねして…」というのが実情だ。

大手コンピュータメーカーで2カ月間の育休を取り、社内の男性取得者第1号となったA氏は「子どもが生まれる前から社内と顧客に根回ししていた」。A氏によると、以前1人の男性も育休を取らなかった理由は、「男性でも取れることが知られていない」「復帰後のポジシンが危うい」「休んだら家計を支えられない」の3点だという。

「僕も妻も『制度があるなら使わなきゃ損』という主義。会社からの評価が下がるといった不安はありましたが、育休を取ったおかげで育児と主婦業の大変さが分かりました。夫婦がお互いの立場を思いやれるようになった意義は大きいですよ」(A氏)

潜在的にはA氏のような男性社員はまだいるはず。でも、ほとんどの人は制度の存在自体を知らなかったのでは。制度を作りっぱなしにするのでなく、知らせる努力にも意を注いでもらいたい。 

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