阪神淡路大震災の「活きた教訓」

福知山線の脱線事故でも実施された「トリアージ」の必要性とは?

2005.06.16 THU

災害医療の「3つのT」をご存知ですか? 大規模災害や事故の現場で、医療チームが行う緊急対応の3原則で、1.Triage(トリアージ) 2.Transportation(患者搬送) 3.Treatment(緊急治療)のこと。JR福知山線の脱線事故の際にはこの3つのTがうまく機能したといわれる。

まず1.の「トリアージ」(フランス語で「選別」の意味)。災害現場に駆けつけた医師や救急救命士が、治療の必要性が高い人から順に治療施設へ搬送する優先順位を決めるシステムだ。4色に色分けした(写真)をつけて優先度を区別する。90年代から徐々に普及したが、93年に起きた信楽高原鉄道の事故では軽症患者が先に病院に着いたため重症患者に医療資源が行き渡らない、などの問題もあった。

ちなみに将来に向けて、ICを組み込んだトリアージタッグを活用し、トリアージを迅速化する試みもある。5月に福岡市が実施した実証実験に参画した丸紅情報システムズによると、「従来は81人の負傷者を搬送するのに1時間強かかったところ、約35分で完了し、搬送時間がほぼ半減する結果が出ました」(同社広報)。

また、阪神淡路大震災の反省から、自治体が設立する初の災害医療センターとして03年開設された「兵庫県災害医療センター」は、2.患者搬送と3.緊急治療において大活躍。患者の搬送スピードを迅速化するトリアージを速やかに実施したり、医師を直接現場に派遣して、事故車両に閉じ込められた被災者に治療を施す「CSM」を行ったりした。大規模災害でのCSMの実践は、国内で初めてだった。

関西圏以外にも強い味方が登場した。昨年、被災現場に駆けつけて救命処置を行う「東京DMAT」が発足。「新潟県中越地震をはじめ、すでに11件の救出実績がある」(東京都福祉保健局)という。

今後も、このシステムを活かした災害時の医療活動に期待したい。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト