どうなる? 「構造改革の本丸」

「郵政民営化を禁止する法律」が98年に成立していた!?

2005.06.23 THU

小泉首相が「構造改革の本丸」として推し進める郵政民営化。国会の審議では郵政民営化をテーマにした「紙芝居」まで登場したが、その前には民主党などが審議入りを1週間ほど拒否したこともあった。この時、審議入りを拒否した理由の1つに挙げられたのが「郵政民営化を禁止する法律」の存在だ。

そんなものがあったの? とちょっと驚いてしまうが、それが実際あったのである。それは橋本内閣時の98年に成立した中央省庁等改革基本法。この法律の第33条は郵政事業に関する条文で、その一項一~五号に郵政公社設立に関する措置が記載されているのだが、問題は一項の六号。そこには「前各号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとすること」とハッキリ書かれているのである。郵政事業を公社化したら、それ以上の民営化はしないよとなっていたのだ。これに民主党などがかみついたのである。さらには「郵便局ファンの会」という市民グループが、この件に関して国を提訴するなんてことも起こった。

一方、政府はこの法律は郵政公社ができるまでについて規定したもので、公社化後のあり方は拘束しないという見解を前々から打ち出していた。何だか疑問の残る解釈だが、これはさほど重要な問題ではなかったってことなのか、結局、野党は審議に復帰することとなった。

郵政民営化のメリット・デメリットは実に複雑だ。国民から集めた膨大な資金を官から民に流して経済を活性化させる、これまで郵政公社には免除されていた税金が支払われて国庫が潤う…などと聞くといい話に思える。けれど、民営化されたら外資乗っ取りの恐れがあるとか、人口の少ない地域では合理化のため郵便局が廃止されるかも…と聞くと不安になってしまう。そうした問題は具体的な法案の細部をジックリ慎重に詰めてもらうしかないと思えるのだ。与党にも野党にも、うわべのパフォーマンスではなく、中味のある議論をお願いしたいものです。

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