いまや日中関係最大の火種

なぜ靖国神社ばかりが問題になるのか?

2005.07.07 THU


小泉さんの首相就任から4年余り。この間、日増しに大きくなる問題がひとつある。いまやニュースの定番「靖國神社参拝問題」がそれだ。特に最近は、この問題で日中関係が修復不可能なほど悪化、そのため野党はもちろん、自民党や財界からも公然と小泉さんの靖國参拝をとがめる声が上がり始めている。

それにしても、小泉首相が靖國神社を参拝することがなんで大問題になるのか。中国や韓国は、なぜあれほど首相の靖國参拝に対して神経をとがらすのだろうか。実は、それには大きく分けて2つの理由がある。

まずひとつ目は、「政教分離の原則」という問題―。元々、靖國神社は戦前の国家神道体制のなかで陸軍省・海軍省所管の軍事的宗教施設として発展したのだが、戦後になると国家から独立し、少なくとも見かけ上は普通の神社、一宗教法人になった経緯がある。その一方、憲法では国家が特定の宗教に肩入れせず、中立の立場をとらなければならないという「政教分離の原則」が定められていて、つまり首相が終戦記念日などに靖國参拝するのは国家が特定の宗教に肩入れしていることになり、「政教分離の原則」に反するのでは、というわけだ。

そしてもうひとつは、靖國神社に祀られている「A級戦犯」の問題―。A級戦犯とは東京裁判で侵略戦争の罪に問われ、死刑になったりした当時の政府首脳や軍首脳で、いわば中国や韓国を侵略した「張本人」とされる人たちのこと。少なくとも中国や韓国がそうみなしている人物を日本の首相が「英霊」として参拝するのだから、問題になるのは当たり前。実際、中国はここをもっとも問題視し、歴代政府首脳の靖國参拝に激しく反発してきたのである。

では「靖國問題」を収束させる方法はないのだろうか。実はこれも2つのやり方があり、ひとつはA級戦犯の分祀(合祀の中止)、もうひとつはA級戦犯を除いた無宗教の慰霊施設を作ること。しかし靖國神社に対しては様々な考えの人たちがいて、話はそれほど単純ではない。この辺も「靖國問題」が政治的といわれるゆえんなのだ。

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