テロは9・11やロンドンだけじゃない

英国テロ事件で考えてみる「なぜテロが起きるのか?」

2005.07.21 THU


「9 ・11」といえば4年前の米同時多発テロのことだが、先日、これにもうひとつ新たな日付が加わった。「7・7」―。そう、各国の首脳が集まっていた英北部のサミット開催中に、死者50人以上を出し、世界中に衝撃を与えたロンドンの同時爆破テロのことだ。

だが、大規模なテロは、なにも「9・11」や今回の「7・7」だけではない。ブッシュ米大統領がイラク国内における大規模戦闘の終結を宣言したのはもう2年数カ月も前のことだが、その後も、世界では様々なテロ事件が起きているのである。

米国家テロ対策センターによると、昨年1年間に世界各国で起きたテロ事件は3192件で、死者は実に6060人。なかでも、昨年3月にスペイン・マドリードで起きたテロは、朝の通勤時間帯に複数の列車を同時に爆破するという今回のロンドンを思わせる手口で、死者約200人の大惨事となった。この結果、スペインの当時の政権は直後の選挙で敗北し、イラクに派遣していた駐留軍を撤退させたくらいなのだ。

それにしても、テロはなぜ起きるのだろうか。米国は、自由な社会にするため、圧制から解放するためと言ってイラクを攻撃してイラク国民をたくさん殺し、テロの“犯人”とされるアルカイダなどのイスラム過激派勢力は、その報復として次々にテロを行う。だとすると、「戦争」と「テロ」はどう違うのか。広辞苑によれば、戦争とは「武力による国家間の闘争」で、テロは「あらゆる暴力手段に訴えて政治的敵対者を威嚇すること」だという。じゃあ「武力」と「暴力手段」は何が違うのか。米国がイラクやアフガニスタンの国民を殺すことは武力で、イスラムの過激派が米国や英国の人々を殺すのは暴力になるのだろうか。

テロの背景にあるのはなにも報復だけではなく、実は出口のない貧困や社会の腐敗だといわれる。はっきりしているのは、武力だろうがテロだろうが罪の無い人間を殺すのは暴力であり、「憎しみの連鎖」では何も解決しないということだ。

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