朝食しっかり食べてます?

「食育基本法」が7月に施行。ところで“食育”ってなんだ?

2005.08.18 THU

「食育基本法」が7月に施行された。「食育」とは、栄養バランスや食文化など食に関する知識を伝える教育のこと。食育は小泉政権が注力する重要課題のひとつであり、骨太の方針や首相の施政方針演説でも言及されてきた。

同法の内容はというと、国民に健全な食生活を求め、生産者と食品業者には安全な食料の提供を要請し、国や自治体には食育推進施策の策定を義務付ける、などである。

条文には「生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努める」ことが「国民の責務」と記されているのだが、そんな当たり前のことをわざわざ法律で定める必要があるの? と首をかしげる人もいるだろう。

しかし、そうしなければならないほど日本人の、特に子供の食生活の乱れは危機的状況にあるのだ。朝食をとらない子供や1人で食べる「孤食」が増えたり、外食や冷凍・インスタント食品に依存したり、食べる時間が不規則になったり、偏食したり、という傾向が強まっているのである。

その結果、肥満児や生活習慣病の患者数は増える一方だし、「腐った食べ物は臭う」ということを知らず食品の鮮度を見分けられない子供や(彼らの唯一の手掛かりは賞味期限の日付)、切り身にされる前の肉や魚、野菜の形や名前を知らない子供(切り身の姿しか知らないで大地の恵みに感謝できるだろうか?)も最近では少なくない。

朝食を抜く子供は学習意欲が低いとの調査結果があるし、清涼飲料水の飲み過ぎによる低血糖症が少年犯罪や学習障害の一因だとする指摘や、食生活とキレやすさの相関を指す声もある。さらに最近ではBSEや残留農薬など食の安全も揺らいでいる。

食育基本法にはこうした現状への対応のほか、食育によって生活習慣病を予防し、増大が予想される医療費を抑制しようという狙いもあるのだが、食料自給率がわずか40%なのに飽食の時代を謳歌する現在の日本で「食生活を改めよう」なんて法律が施行された皮肉を、僕たちは真剣に考えなければいけないと思う。

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