外務省の長年の悲願が頓挫!?

日本の「常任理事国」入りはなぜ絶望的になったのか?

2005.09.08 THU

日本の常任理事国入りが絶望的になった。この常任理事国入りとは、アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの5カ国だけで構成される国連安保理常任理事国の仲間入りをすること。外務省は長いあいだ常任理事国入りを悲願とし、巨額のODAを世界中にバラまいたり、国連の予算もアメリカに次ぐ額を負担してきたのだが、それも全部、事実上ムダになってしまったのだ。

しかしなんで絶望的になったのか。実は今年は国連ができて60年という区切りのいい年で、いろんな国から常任理事国を増やそうとの声が高まっていた。そこで日本はドイツ、インド、ブラジルとG4を組み、「常任理事国6カ国、非常任理事国4カ国」を新設して常任理事国の特権である拒否権を15年間凍結する「枠組み決議案」を提出。採決に必要な国連加盟国3分の2以上の賛同を得ようと動いたのだが、賛成してくれたのは27カ国のみ。その後、今度は大票田のアフリカ連合(AU)との決議案一本化を目指したものの、AUが新常任理事国への拒否権付与をゆずらなかったために交渉は決裂、ついに採択を断念してしまった――と、だいたいこういうわけなのだ。

もっとも、直接のきっかけはAUとの一本化の失敗だが、実は、常任理事国入りが絶望的になった本当の理由はべつにある。それはズバリ、アメリカと中国の反対だ。

アメリカはG4の提案に難色を示す一方で、日本が常任理事国になることについては支持。中国はインドの常任理事国入りには賛成しているが、日本に対しては拒否権行使を匂わせてまで強く反対。つまりアメリカも中国も、常任理事国を増やすことには一見賛成しているようにもみえるのだが、実は本音レベルでは、国連安保理を改革することそのものに反対なのである。

とにかく、これで日本の常任理事国入りは当分なくなった。むしろこの機会に、今度こそ政府は、「なぜ常任理事国になる必要があるのか?」という疑問を国民にちゃんと説明するべきだろう。

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