小さな政府は続くよどこまでも

郵政のほかにも民営化しそうな事業ってあるの?

2005.10.27 THU

道路公団民営化の結果、高速道路会社6社が10月1日に発足。14日には特別国会で郵政法案が可決・成立。小泉首相が言う「突破口」が開いた。民営化の動きは既に、経費削減を主な目的に保育園や福祉施設の運営を民間に委託したり、公立から私立に移行する自治体が増えるなどの形で広まりつつある。

では今後、他にどんな事業の民営化が考えられるだろうか? 海外先進国の例を見ると、まず考えられるのは水道と年金だ。

水道事業の民営化で知られる国はイギリスとフランスだ。英は1989年に完全民営化、今は施設の所有も運営も民間企業だ。仏は19世紀中ごろから民営化していて、現在は約8割の水道が、自治体が施設を所有し民間企業が管理運営する“民活”だ。アメリカでもここ数年、民活を導入する自治体が急増。目的はやはりコスト削減だ。

日本でも、東京都や三重県など様々な自治体が水道の民営化を検討してきた。「官から民へ」「小さな政府へ」といった点では、英仏米の水道民営化は一定の成果をあげている。が、英では民営化後に水道料金が値上がりし、住民が猛反発するなどの問題が起きていることも見過ごせない。

 年金の一部を民営化しているのはスウェーデンなど。同国は1999年に保険料率の一部を積み立て方式に切り替え、加入者が自分で運用する仕組みにした。オーストラリアやシンガポールも年金の一部を企業年金や積み立て方式にして民営化している。

米のブッシュ大統領も現在、年金の一部民営化を強く提唱している。実は日本でも99年に「厚生年金を積み立て方式にして民営化すべき」との答申がまとめられている。米の今後の動きによっては年金民営化論議が日本で再燃する可能性はあるだろう。

が、ただ民営化すればいいわけではない。スウェーデンは前述の年金制度づくりに10年を費やした。政府・自治体には諸外国の制度を後追いするのではなく、改革に議論を尽くした姿勢をこそ真似してほしい。年金、水道、郵政どれにおいても。

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