両院とも選挙で選ぶのは日本だけ

「二院制」と「一院制」そのメリット・デメリットとは?

2005.11.02 WED

「参議院は何のためにあるのか?」。最近、こんな疑問を感じている人が多い。衆議院に巨大与党が誕生したことで、以前の郵政民営化法案のように衆院で可決した法案を参院が否決しても、衆院の3分の2以上が賛成すれば結局成立してしまう――。だったら、参院を廃止してしまったほうが時間もお金も節約できるんじゃないかというわけだ。

そもそも、国会はなぜ衆議院と参議院に分かれているのか。OECD(経済開発協力機構)の加盟30カ国をみてみると、二院制の国は17カ国で、一院制は12カ国(その他の国1)。その二院制を持つ国にも大きく分けて3つのタイプがある。1.連邦制をとっている国の二院制。2.階級制度がある国で、階級の代表と国民の代表からなる二院制。3.どちらも国民の代表で構成される二院制――。アメリカやドイツは連邦制の国だから1.で、2.の典型はイギリスの議会。日本の場合、連邦制も階級制度もないから当然3.だが、両院議員ともにすべて純粋に選挙で選ぶ国は世界中を探しても日本ぐらいだという。

じゃあ日本はなんで二院制なのか。実は戦後に憲法をつくったとき、マッカーサー草案では当初国会は一院制とされていたという。日本は連邦国家ではないし、貴族も廃止されたのだから二院制は必要ない、というのがその理由だ。これに対し、二院制を主張する人たちのいうメリットはこういうものだった。1.慎重な審議を行うため。2.国民の多様な意見を反映できる――。たしかに、衆院と参院で同じ審議をすることは慎重といえるし、かつては参院が「少数の代表」として衆院の暴走に歯止めをかけるという意味もあったのだろう。

しかし、いまや参院は衆院をコピーしたかのように同じ政党で構成され、とても昔のように「再考の府」「良識の府」とは呼べないのが現状。そのうえ存在意義まで失ってしまっている以上、よほどの参議院改革を行わない限り「何のために?」という疑問は解消されないかもしれない。

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