初の女性首相誕生だけど…

総選挙後、日本より混乱中。ドイツはいったい何でもめてるの?

2005.11.10 THU

なにやらドイツがややこしいことになっている。折しも、日本の衆院総選挙1週間後の9月18日、ドイツでも総選挙が行われたのだが、結果は与野党の2大政党が大接戦。与党のSPD(ドイツ社会民主党)は222席、野党のCDU/CSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)は225席となり、僅差で野党のCDU/CSUが上回った。仮に日本に置き換えれば、民主党が僅差で勝ったようなものだと思ってもらいたい。

しかし政権交代かといえば、そう簡単ではない。というのも、両党ともに過半数には届かなかったため、ステージは連立政権樹立の駆け引きへと移っていったからだ。

で、結論。なんと2大政党の「大連立」! これまた日本なら、自民党と民主党が連立したようなもんだ。しかし、両党には日本の2大政党以上に、主義主張に開きがある。「社会民主主義」を標榜するSPDの「改革」に対して、中道右派のCDU/CSUは「保守」。いわば、左と右の「大連立」なわけで、こんなにあぶなっかしい連立はなかなかできるもんじゃない。

じゃあ、どうして? 「大連立」の背景には、両党の連立工作がうまくいかなかったこと、州の代表で構成される連邦参議院でも与党が過半数以下であること、そのため緊急の課題とされる景気回復、失業対策が進んでいないこと、などが挙げられる。実際、ドイツの経済は深刻で、今年9月の失業率は11.2%、推測では、成人の4人に1人が失業者とも伝えられているほど。税収の減少、失業給付の増加と、財政は火の車である。

「大連立」最大の懸案事項であった首相人事は、すったもんだの末、CDU/CSUからメルケル氏がドイツ史上初の女性首相として就任した。待ったなしのドイツ経済の回復をめざして、「大連立」が吉と出るか、凶と出るか。今後のメルケル氏の政治手腕に、世界中が注目している。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト