核廃絶の道はまだまだ遠い

IAEAとエルバラダイ事務局長“激励”でノーベル平和賞受賞?

2005.11.17 THU

今年のノーベル平和賞は、国際原子力機関(=IAEA)とモハメド・エルバラダイ事務局長に授与されることが決まった。授賞式は12月、ノルウェーのオスロで行われる。

ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言により1901年に創設された、いわずと知れた世界的な賞。物理学賞、化学賞、医学・生理学賞、文学賞、平和賞の5部門があり、1968年には経済学賞も創設。選考は…「国連あたりでやってるんでしょ」なんて言ってる人いませんか? 平和賞の選考はノルウェー国会から選出された委員が、それ以外の各賞はスウェーデンの王立各機関が行う。賞金は1000万スウェーデンクローナ(約1億5000万円)。

今回受賞したIAEAは、核の拡散防止と平和転用を目的に創設された国連の機関で、設立は1957年。授賞理由は「軍事目的の核利用を防ぎ、原子力の平和利用に努めた」というものだが、核をめぐる現状は必ずしも先行きが明るいわけではない。今年5月に開催されたNPT(核拡散防止条約)再検討会議は成果のないまま決裂、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議も遅々として進まないうえ、国際テロリストの核使用の危機まで懸念されているのが現実。

そんななかでのIAEAの受賞は、実績に対する評価よりも激励の意味が大きいと見る向きが多い。過去の平和賞受賞者を見ると、サハロフ博士(75年/原水爆に反対)、核戦争防止国際医師会議(85年)、パグウォッシュ会議(95年/核廃絶を目指す科学者会議)、そして今年のIAEAと、ちょうど10年ごとに核廃絶運動関連の個人・団体が受賞している。節目にあたって「がんばれIAEA」というわけだ。

もちろん激励だからといって価値が下がるわけではないし、期待の表れでもある。今後、IAEAの活動で核廃絶が進めば、今度こそ実績での、そして史上初の2度目の平和賞受賞もあり得る。R25からもエールを送りますよ、IAEAさん。

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