珍事例も続出!?

個人情報保護法により、個人情報の「過保護」が進行中!?

2005.12.08 THU

今年4月に施行された個人情報保護法は、5000人超の個人情報を取り扱う事業者に対して情報の目的外利用や第三者提供を禁じるというもの。ところが、この法律を形式的に解釈したり曲解したりして過剰に個人情報を保護するケースが散発しているようです。

たとえば病院。外来患者は名前ではなく番号で呼ばれ、病室の名札も取りはずされます。あるいは見舞いに訪れた人に「個人情報だから」と病室を教えないという例も。病院か刑務所か、区別がつきませんね。

たとえば学校。卒業した生徒の写真はシュレッダーで破棄される、授業参観日に生徒のロッカーや下駄箱の名札を隠す、なんて例が報告されています。

たとえば自治体。独居老人や障害者ら「防災弱者」の情報を民生委員にも教えない、公務員(教員含む)の懲戒免職者を匿名発表、役人の天下り先の非公表…。情報保護法の前では公的責任もどこ吹く風なのです。

これらは実例のごく一部。理不尽な話はまだまだあります。「駅で将棋倒しの巻き添えになってケガをして入院したが、転倒の原因となった人の連絡先を鉄道会社に聞いても教えてもらえず、治療費を自腹で払うはめになった」とか「集中豪雨で被害を受けた世帯が税の減免や受信料の免除を受けられるようにと、区の担当課長が被害世帯の氏名・住所を都税事務所とNHKに提供したところ、『個人情報保護条例に違反して区の信用を失墜させた』として区から訓告処分を受けた」とか「地域の交流行事として毎年、中学生が一人暮らしのお年寄りに暑中見舞いを出していたのだが、教育委員会がお年寄りの名簿の提供を拒否した」などなど。

でも個人情報保護法は、生命や財産の保護のためなら本人の同意なしでの情報提供を認めています。事業者は個人にとって最も有益な判断を、ケースに応じて柔軟に下してほしいものです。だってこの法律は、個人の「情報」ではなく、「個人」を守るためにできたはずですから。

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