いったい何が問題になってるの?

“イラク後”の中東でイランは新たな火種となるか

2005.12.08 THU

イラク戦争後の中東で、いまイランが注目をあびているのをご存じだろうか?

イランは79年の革命でイスラム教シーア派を国教とする共和国となり、以降“聖地エルサレムを不当に占領している”として、イスラエルを敵視している。よって、イスラエルを支持するアメリカも敵視。同様に、アメリカと協調関係にある親米イスラム国家(だいたいのアラブ国家)とも一線を画している。つまり、イランは中東で独自路線を歩む国だといえる。

かつてアメリカから「悪の枢軸」と名指しされたイラン。最近では10月末に現職大統領が「イスラエルを地図から消すべき」と発言したり、はたまた核開発が問題に挙がったりと、新聞やニュースサイトなどに「イラン」の文字がまた増えつつあるのだ。

注目はやはり核問題。核不拡散がさけばれる昨今、核開発を口にすれば欧米が黙っていないのは自明のこと。だが、それでもイランには核開発をすすめたい2つの理由がある。1つは、国内経済活性化の足かせとなっている電力不足を解消するための原子力化。もう1つは「隠れた核保有国」といわれるイスラエルを牽制することだ。

「核開発問題において、欧米はイランへの不信感だけを理由に高圧的な態度を示しています。しかし、これはイスラエルやインド、パキスタンの核開発を野放しにしてきたことと矛盾します。今、欧米に求められるのは、イラン経済を改善するための協力を検討することに加え、将来的な核兵器開発につながらないような体制を整備するなど、公正でバランスの取れた対応です」と、イラン近現代史の専門家で広島大学助教授の吉村慎太郎氏は指摘する。

核開発問題に平和的解決の余地がある以上、米・英の見切り発射の結果「何も見つかりませんでした」とオチのついたイラクの二の舞は避けてほしい。正直なじみ深いとはいえない国イランだが、中東問題の隠れたキーワードとして今後も要注目だ。

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