全体の8割で利用率が1%未満

ネットで届け出ができる電子政府の利用はなぜ進まない?

2005.12.22 THU

政府はインターネットで役所への届け出などができる「電子政府・電子自治体」の構築を01年から進めている。が、国民による利用はほとんど進んでいない。04年度ではネットで可能な手続きのうちの8割で利用率が1%未満。しかもそのうちの4割超は利用率0%、まったく利用されなかったのだ。

電子化されている手続きは、国税の申告・納税など約1万3000種類。旅券や住民票の写しの交付申請などを24時間ネットで受け付け、閉庁後の夜間に受け取れる自治体もある。確かに便利になってはいる。

なのになぜ利用が進まないかというと、最大の元凶は事前手続きの煩雑さ。国税を電子申告・納税するためには、開始届け出書を税務署に提出し、役所で電子証明書を取得、さらにICカードリーダ(約3000円)を購入し、税務署から届く専用ソフトをインストールする、という手間が要る。しかも専用ソフトはWindowsのみ対応でMacでは使えない。自治体への電子申請でも本人確認が必要なものでは電子証明書とICカードリーダが必要だが、自治体によって使用できるカードリーダが異なる場合もある。年に数回の手続きのために、こんな手間をかける気にはなれないよね。

ところで電子証明書の取得とは、住民基本台帳カードのICチップに本人証明を書き込むということ。だがこの住基カードの普及率は今年3月末時点で全人口のわずか0・4%。住基カードの普及は住民基本台帳ネットワーク確立の土台であり、住基ネットの確立は電子政府計画の土台である。つまり電子政府計画は住基カードの普及という土台づくりで既にコケているのだ。

住基ネットの構築には約400億円が投入され、年間維持費は約200億円。官公庁の電子申請システムには160億円超がつぎ込まれたが、各省庁がバラバラにシステムを開発したため使いにくいものになり、追加投資して作り直した経緯もある。こんなお粗末な仕事と経費の無駄づかい、民間企業では考えられませんよ。

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