毎年恒例の首相会見を振り返る

今年の「年頭所感」で小泉さんは何を言ったの?

2006.01.19 THU

毎年1月の仕事始めの日、総理大臣が年頭記者会見というのをおこなっているのを知っているだろうか。いわゆる「年頭所感」で、国会冒頭の所信表明演説とは違って昨年の出来事を振り返ったり年の始めに思うことを話すわけだが、じつは意外と重要な発言があったりするのだ。では小泉さんは今年、おそらく総理大臣として最後となるはずの年頭会見でいったい何を語ったのだろうか。

最大のトピックは、やはり靖國神社参拝をめぐる中国・韓国との関係悪化の問題。小泉さんは質疑応答でこのことについて聞かれると、中国や韓国、マスコミがなぜ自分の靖國参拝を批判するのか「理解できない」とぶ然として語り、その後も「理解できない」というフレーズを5連発。翌日の新聞で(むしろ首相は)「理解力が足りない」と皮肉混じりに書かれてしまうのだ。

しかしその一方で、小泉さんが胸を張って得意満面に語ったのが景気回復。たしかに日本経済はいま、国民のあいだの所得格差という問題をのぞけばやや上向きになっているといわれる。それだけに、小泉さんは話の大半をこのテーマに費やして、こんなふうに自慢するのだ。自分の改革路線は各方面からさんざん批判を受け、不況のときには「成長なくして改革なし」だと主張する人もずいぶんといたが、やっぱり「改革なくして成長なし」で正解だったじゃないか。私の4年間は正しかった――と。

しかし結局のところ、小泉さんが年頭に示した政策は、1.改革の続行 2.アスベストと耐震偽造問題への対応 3.防災対策 4.少子化対策の4つのみ。だが、今年の年頭会見には抜け落ちていた大事なことがひとつあったのだ。それは定率減税の全廃、所得控除の見直し、住民税税率の引き上げといったわれわれ国民の負担増だ。改革を自画自賛したり、景気回復を自分の手柄のように語る前に、1年の始まりだからこそ、こうした負担増について国民にきちんと説明するべきではないのか。任期もあと残り9カ月なのだから。

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