和平の鍵を握るイスラエル首相

シャロン氏が事実上の引退パレスチナ和平はどうなる?

2006.02.02 THU

第二次大戦後の1948年、アラブ諸国との戦争に勝利しパレスチナ地方の78%を制圧したユダヤ人がイスラエルを建国。その後、67年に起きた戦争でイスラエルの領土は拡大、住み慣れた土地を追われ占領下に置かれたパレスチナ人(パレスチナ地方に住むアラブ人を指す)とイスラエルの間で衝突が繰り返されてきた。

先月4日、そのイスラエルの首相シャロン氏が脳出血で倒れ、命を失う事態にはならなかったものの政界への復帰が困難になったという。シャロン氏は28年生まれの77歳。軍隊出身で政界入り後は閣僚ポストを歴任し、ユダヤ人入植地拡大を推進。00年にはイスラム教の聖地に足を踏み入れてパレスチナ人の怒りを買い、大規模な衝突を招く。そして01年からイスラエルの首相に。と、ここまでみるとバリバリのタカ派に思えるが、それだけの人でもない。昨年9月にはガザ入植地からイスラエル兵と入植者を撤退させ、11月に和平推進を掲げる新党「カディマ」を自ら設立するなど柔軟さも示していた。では、このシャロン氏が政界から退くことで、今後の和平の見通しはどうなってしまうのだろうか。中東情勢の専門家で放送大学助教授の高橋和夫さんにお話を伺った。

「イスラエルにはカディマのほかリクード、労働党という主要な政党があります。3月末に行われる総選挙でカディマが政権をとればシャロン氏の方針が継承され、リクードなら和平は停滞、労働党ならこれまで以上に和平が進むでしょう。しかし、カディマやそれ以外の党を含めても、後継の首相と目されている人たちには建国当初から歴戦した将軍であるシャロン氏ほどのカリスマ性がなく、氏の引退でイスラエルが大きな求心力を失ったことは確かです」

自らが思い描く和平を目指し、総じて豪腕さが目立ったシャロン氏のもとこれまで多くの血が流れてきたことは事実。今後だれが舵取りを担うにしても、持続的な平和の実現をぜひ目指してほしい。

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