中央省庁の不祥事に怒りの決起

若手官僚たちの霞が関改革「プロジェクトK」とは?

2006.02.16 THU

最近、『現在官僚系もふ』などの中央省庁を舞台にしたマンガをよく目にする。官僚組織のあり方に疑問を感じ、役所の内部で奮闘する登場人物たち――。でも、戦っているのはマンガの登場人物だけじゃない。本物の若手官僚にだって、霞が関=中央省庁を内部から変えようとしている人たちがいるのだ。

『霞ヶ関構造改革・プロジェクトK』(東洋経済新報社)という本が話題になっているのを知っているだろうか。じつはこれ、各省庁から集まった31歳から32歳の若手キャリア官僚21人が「新しい霞ヶ関を創る若手の会」というグループをつくり、そのうちの16人が実名で出版した前代未聞の本なのである。タイトルでもわかる通り、内容はまるごと一冊霞が関の問題点と改革案をまとめたもので、「K」には「霞が関」「公務員」「改革」といった意味がこめられている。

それにしても、彼らはなぜこんな行動を起こしたのか。会の代表で、経産省資源エネルギー庁石油・天然ガス課の朝比奈一郎課長補佐はそのきっかけをこう語る。「僕らが入省したとき、霞が関はバッシングの真っただ中にあった。そんな時代にあえて官僚になったのだから、霞が関を変えたいという思いはみんなそれぞれ強かったんです。霞が関には国民のためという視点が欠けている」。じつは、彼らが入省した平成9年は、厚生省の薬害エイズ事件や大蔵省の汚職事件で現役官僚の逮捕が相次いでいた時期。彼らはこうした事件を教訓に導入された3カ月もの長期研修を受けた最初の世代で、若手の会そのものも当時の研修で一緒だったメンバーで構成されているという。

それだけにその改革案は、1.縦割りや省益主義をなくし、官邸直結の「総合戦略本部」を設置する 2.キャリア制度や天下りの廃止――など具体的かつ斬新だ。問題はその実現性だが、朝比奈さんたちはこう言う。「世論の後押しやさまざまな議論がうねりになれば…。あとは政治に期待するしかありません」。構造改革は、なにもどこかの首相の専売特許ではないのだ。

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