残すところあと3カ月

総選挙終了、正式政府発足へ新生イラクの行方は?

2006.02.23 THU

イラクの正式政府発足へ向けた国民議会選挙の結果が1月に発表された。第1党は全議席数の47%を獲得したイスラム教シーア派連合会派の「統一イラク同盟」。2、3位はクルド人会派の「クルド同盟」とスンニ派の「イラク合意戦線」。選挙結果はイラクの宗派・民族の人口比をほぼ反映しており、しかも宗派・民族を横断する政権づくりを訴えた「イラク国民リスト」は惨敗。“挙国一致”の難しさが改めて明らかになった。

イラクの今後の政治日程はというと、今月中に国民議会召集、3月下旬に大統領と副大統領を選出、4月上旬に大統領が首相候補を指名し、首相候補が閣僚名簿を提出、議会で過半数の賛成を得て承認されれば5月上旬に正式政府発足、という流れだ。

現在は政党間で連立協議が進んでいる。その背景には、全宗派・民族参加の連立政権をつくって国民の融和を促す目的がまずひとつ。さらに大統領の選出に必要な3分の2の議席数を連立によって確保するという目的もある。また武装勢力を陰で支えているスンニ派を連立政権に参加させることで、過激派を孤立させるねらいもある。

が、この連立からしてすんなりとはいかないのだ。シーア派の統一イラク同盟は、選挙で第5党となった旧フセイン政権寄りスンニ派の「国民対話イラク戦線」との連立には消極的だし、統一イラク同盟内の反米強硬主義の「サドル師派」はイラク国民リストとの連立に反発している。さらに連立協議の中心を担う統一イラク同盟の内部にも首相候補選びで対立がある。

新議会は昨秋に成立した新憲法の修正を始める予定だが、この作業でも宗派間の衝突が予想される。新憲法で定められた連邦制では、中部の不毛地帯に居住するスンニ派だけが石油利権から排除されるからだ。

5月の正式政府発足で再建のための政治プロセスは終了するわけだが、この3カ月で新議会内では右のようないくつもの駆け引きが交錯する。米軍の攻撃から3年、イラクはいま新生の正念場にある。

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