戦後60年も経ったのに…

国連の「敵国条項」は、なぜなくならない?

2006.03.02 THU

知らなかった。NHKの「週刊こどもニュース」のお父さん役として人気を博したジャーナリストの池上彰さんに取材するため、彼の著書を読んでいて事実を知った。戦後60年も経つのに、なんと国連の憲章には「敵国条項」なるものがまだ残っているのだ、と。

実際、国連憲章53条と107条に敵国条項はある。第二次世界大戦時に連合国の敵だった国が、もし国連憲章に違反した行動を行った場合、連合国の構成国は国連決議の拘束力に優先して無条件に軍事制裁を科すことができる。要するに、国連に諮っていろんな意見を聞いてもらって出てくる決議に関係なく、問答無用で自国で制裁できるということ。連合国は、米、英、仏、露、中。敵国は、明記こそされていないものの第二次世界大戦の枢軸国、日、独、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、フィンランド。イタリアは途中で枢軸国から脱退、日独に宣戦布告したので除外されている。要するに、国連憲章のもとでは日本は敵国だということだ。

もちろん、それはひどいじゃないかということで、日本政府もずいぶんいろいろな働きかけをしたらしい。ようやく1995年に国連総会で「旧敵国条項の削除を検討する報告書承認」決議案を採択。賛成155、反対0、棄権3という圧倒的多数の支持で採択された。ところが、今もって削除はなされていない、のである。

国連憲章の改正は、加盟国の3分の2以上の国々が国内手続きに従った批准をしなければならない、というえらく面倒な手続きが必要。そこで、ここ数年話題になった安全保障理事会の改革と一緒にやりたかった、という事情もあるらしい。削除決議は採択されているし、どう見ても時代錯誤だから、もはや意味をなさない「死文化条項」だ、という意見もある。だが、とにもかくにも、まだ削除はされていないのである。

今年12月には、日本は国連加盟50周年を迎える。この国連憲章の「敵国条項」、みなさんはどう思います?

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