行革推進法案が国会審議中。そこで

小泉改革の「卒業論文」その中身を採点してみた

2006.04.13 THU

小泉さんが総理になって1800日あまり、ちょうど5年が経過した。戦後の歴代総理大臣のなかでも3位にあたる在任期間の長さで、思えばこの間、改革vs抵抗勢力とか「人生いろいろ」発言とかイラクへの自衛隊派遣とか、それこそいろいろなことがあった。

ところで、その小泉さんが9月の退陣後を考え、ある重要法案を今国会に提出したのを知っているだろうか。行政改革推進法案というのがそれで、これはひとことで言えば、次の内閣にも構造改革を引き継いでもらうための基本法案のこと。いわば、この5年間におこなってきた小泉改革の「卒業論文」といってもいいかもしれない。

具体的には昨年末に閣議決定した基本方針に従い各分野ごとに改革の中身や目標を定めていて、そのおもな内容は次の通り。1.2010年度末までに国家公務員の5%以上純減。2.8つの政府系金融機関を08年にひとつに統合。3.31の特別会計を2分の1から3分の1に削減。4.公務員宿舎など政府資産の売却行程表を06年度中に作成。5.独立行政法人の見直し――。

もっとも、「さすが小泉さん。自分が辞めたあとのこともちゃんと決めておいてくれるなんてすご~い」などと考えるのは甘い。じつはこの卒業論文、チェックしてみるとすでにさまざまな抜け道ができているのだ。たとえば政府系金融機関というのは官僚の利権で、天下りの温床にもなっているのだが、法案では天下りの部分がこんなふうに骨抜きにされている。政府の基本方針「天下りの速やかな廃止」→法案「特定の公務の経歴を有する者が固定的に選任されることがないよう十分に配慮する」…。つまりいくらでも天下りができてしまうわけで、こんな抜け道が随所にあるのだ。

これじゃ卒業させられない、と厳しい教授(国民)は言うかもしれない。しかしもともと小泉さんはスローガン先行型で、中身はあまり伴わなかった。そういう意味では小泉さんらしいし、どうか安心して一刻も早く卒業していただきたい。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト