僕たちも人ごとじゃないかも…

「2年以内は解雇OK」にフランスの若者が大反発

2006.04.27 THU

フランスで起きたニュースが世界を駆けめぐった。学生を中心にデモや暴動が勃発。労働組合まで巻き込み、3月末のデモには300万人以上が参加、国鉄、郵便、公立学校、公共放送などがストに突入した。航空も管制官のストで、なんと国内便の3分の1が欠航。オペラ座も講演を臨時休演し、新聞も印刷所のストで止まってしまった。

発端は政府が打ち出した若年雇用政策「CPE」。企業が26歳未満の若者を採用する場合、2年以内なら理由の通知なく解雇できる、というもの。これに若者が猛反発した。やっと就職した会社を2年で理由なくクビにされてはたまらない。それこそ企業は2年おきに、人を入れ替えていくかもしれない。とても安心して働けない。この怒りに労組が同調したのだ。

どうして政府は、こんな政策を導入しようとしたのか。理由は、皮肉にも雇用拡大にある。フランスの失業率は10%。特に26歳未満の失業率は22%。5人に1人は失業中なのである。そこで、従業員を解雇しやすくすれば、逆に企業は若者を採用しやすくなるのではないか、と考えた。企業からも支持を得ていた。だが、学生や労働者の激しい反発から撤回となってしまった。

若者が反発する気持ちもわかるが、政府の考えにも一理はある。世界で勝負している企業は、少しでも安く、使いやすい労働力を求める。そうでなければ、国際競争に勝ち残れないからだ。そこで、工場の国内外への移転や、移民労働力の流入が進んでしまった。結果として、失業率が悪化した。こういう制度でもなければ、国際競争でしのぎを削る企業は、なかなか若者を採用してくれないのが現実なのだ。実際にフランスでは、中小企業向けには、すでに同じ仕組みが導入、効果を生んでいたのである。

実は日本も、置かれている競争環境は同じだ。厳しい国際競争のなか、少しでも安く、使いやすい労働力に企業がフォーカスし始めたら…。このニュース、人ごとではないのである。

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