13年前に知識人が絶賛した1冊

小沢一郎代表のベストセラー『日本改造計画』を今こそ読んでみる

2006.05.11 THU


民主党の新しい「顔」となった小沢一郎代表は、幾度となく政治生命の終わりをささやかれたことがあった。47歳、歴代最年少で自民党幹事長まで上り詰めた男は、体調不良で総裁の座を手に入れられぬまま自民党を離脱。その後さまざまな政界再編を仕掛けるも、そのたびに分裂劇を繰り返し、「壊し屋」という不名誉な異名まで与えられた。

が、政治哲学に関して、彼ほどブレのない政治家も少ない。93年に70万部を超えるベストセラーとなった『日本改造計画』に込められた彼の政策理念は、そのまま民主党のマニフェストとして具現化しているといってもいいほどだ。

この本では、他人の顔色をうかがい、なあなあで事を進めていく旧来の日本型民主主義が徹底批判されている。代わって小沢氏が「究極の目標」とするのは、「個人の自立」とそうした個人に支えられた「真の民主主義」である。そのためには強力な政治的リーダーシップ、地方分権、規制の撤廃こそが実現されねばならない。
と、ここまで読んで「ん? どこかで見たことあるな」と思ったあなたは鋭い。そう、『日本改造計画』は、小泉内閣の構造改革路線とダブる点も多いのだ。よって、小沢氏の豪腕をもってしても、内政面で自民党との差別化を図るのは難しい。

おそらく勝負は外交にある。同書で小沢氏は、専守防衛の自衛隊とは別に、国連だけに属する「国連待機軍」の保持を提案している。国連の指揮下であれば「国権の発動」ではないから、海外で活動しても憲法9条に抵触しない。「自衛軍の保持」を掲げる自民党とは意見がハッキリ分かれるところだ。アクロバティックな提案だが、9条と国際貢献の両立を可能にする「国連待機軍」構想は、筋としては一本通っている。

千葉7区補選で勝利を収め、理想的なスタートを切った小沢民主党。代表選挙前に述べた「まず私自身が変わらなければならない」という言葉は「壊し屋」イメージからの脱却として受け止めたい。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト