いくらなんでもやりすぎでは!?

ドイツが53回目の憲法改正!なんでそんなに変えたがるの?

2006.07.27 THU

自民党が新憲法草案を発表し、国会では国民投票法案が審議されたりと、ここ数年「憲法改正」がひとつの重要なテーマになっている。そんななか、最近ある新聞記事をみて仰天してしまった。そこには「ドイツで53回目の憲法改正が成立」――と書いてあったのだ。

憲法改正をごじゅうさんかい? おいおい冗談だろ、とふつうは思うに違いない。なにしろ民法や商法ならともかく、憲法といえば国の根幹にかかわるもっとも重要なもの。その憲法を50回以上も改正するなんて日本人の常識では考えられないからだ。実際、日本国憲法は戦後60年以上、ただの一度も改正されたことがないのである。

だが、ドイツで53回目の憲法改正が決まったのは本当の話。しかも今回の改正は過去最大規模で、じつに25条項にわたって改正するのだという。いったいなんでドイツはそんなに憲法の中身を変えたがるのか。

そこには、拡大するEUとのかかわり方など、ヨーロッパのど真ん中に位置するドイツならではの事情もあるのだが、最大の理由はむしろ憲法そのものにある。

じつは、ドイツの憲法(基本法)はさまざまなことがやたらと細かく決められていて、行政手続きひとつとっても細かな条文がたくさんついている。その厳密さはよくも悪くも解釈しだいで受けとめ方が変わってしまう日本の憲法とは大違いで、事実、単純にページ数で比べても、日本の憲法が20ページなのに対し、ドイツの憲法は80ページ。なんと4倍もの分量なのである。つまり、ドイツが憲法改正を50回以上しているといっても、それはいちばん大切な基本原則を変えたわけではなく、たんに世の中の動きと合わなくなった部分を少しずつ手直ししているにすぎないというわけだ。

自民党をはじめとする憲法改正論者にはドイツを引き合いに「日本も早く改憲すべき」と考える人が少なくない。しかし、ドイツだろうが、ほかの欧米諸国だろうが、憲法の基本原則まで簡単に改正していいと考える国はないのである。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト