がん対策、自殺対策、住生活…

「~基本法」ってどんな効果があるの?

2006.08.03 THU

先の通常国会では「基本法」が3つも成立した。「がん対策」「自殺対策」「住生活」基本法だ。「~基本法」は90年代から盛んに作られるようになった。が、その中身はというと、抽象的かつ常識的。「(国民は)生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努める」(食育基本法第13条)。「家庭や子育てに夢を持ち、かつ、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に資するよう努める」(少子化社会対策基本法第6条)という具合に、法律というよりも学級手帳の風情である。こんな法律を作る必要が本当にあるのだろうか。法律の専門家に聞いてみた。
「基本法は、重要課題について、政策目標を持ってきちんと対応していきましょうね、と国や自治体に促すものです。基本法の多くは、『~対策室』などの専門機関の設置や、施策を進めていくための『基本計画』の作成を定めています。政策を具体化していくための土台だと考えれば、基本法も重要な法律です」

でも、ほとんどの「基本法」は、国民の具体的な権利や義務、罰則規定などを含んでおらず、裁判規範として使われることもない。国民生活とは縁が薄そうである。

「いや、そうでもありませんよ。基本法に伴って、国や自治体に義務が生じるため、国民は、『基本法が示す通りにちゃんと動いてくださいよ』と、国や自治体に求めることができるようになります」

基本法のほとんどは議員立法。つまり、官僚ではなく、国会議員が作った法律だ。国民の代表である国会議員が国政の土台を作る。これは喜ばしい流れですか?
「確かに、議員主導で施策が早く進むなどのメリットはあります。でも中には、『国民ウケする法律を作って自分の株を上げたかっただけなんじゃないの?』と勘ぐりたくなる基本法もないとはいえません」

実際、選挙前の国会では基本法の提出が目立つ。でもせっかく作るのなら、基本法の土台の上に、実のある施策を積み重ねていってほしいものだ。

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