ドンデン返しは起こるのか?

自民党総裁選の名場面をプレイバック

2006.09.07 THU


自民党総裁選がもうすぐだ。自民党のトップは日本のリーダー、国家権力の頂点である。その玉座をめぐり、政治家は欲を剥きだし、知に働き、天は運のサイコロを振る。

今から30年ほど前、「三角大福」と呼ばれた4人のライバルがいた。田中角栄、三木武夫、福田赳夫と順に総裁になり、残るは大平正芳ひとり。再選を目論む福田、新総裁の座を狙う大平、ほか2名で予備選挙が行われた。党内外とも予想は、福田の圧勝。本人も勝ちを確信していた。だが、結果は、トップ大平、福田は2位。消沈した福田は本選挙を辞退。こんな敗戦の辞を語った。「天の声にも、時には変な声がある」。総裁選には“まさか”があるのだ。

ようやく総裁になれた大平も、しかし、約半年後に急死。その後任に、党内一致で、鈴木善幸というベテラン議員が選ばれた。だが、鈴木は、総裁になれるとも、なりたいとも思っていなかった。自分が大器でないことを知っていたのだ。就任時には、こんな慎ましい挨拶をした。「私は総裁としての力量に欠けることを自覚している」。

次は、今回の総裁選で人気ダントツの安倍晋三氏の父上・安倍晋太郎の話である。約20年前のこと、晋太郎のライバル竹下登が先に総裁となった。晋太郎は幹事長を任され、次の総裁の座はほぼ確実だった。が、いよいよという時、安倍はまさかの病に倒れた。晋三氏にとって、総裁選は、夢叶わなかった父の弔いでもある。

総裁選の「サプライズ」といえば、5年前の小泉首相誕生が記憶に新しい。総裁選の下馬評は、最大派閥をバックにもつ故・橋本龍太郎が優勢だった。が、自民党は失態続きで国民の信頼はゼロ。それを逆手に取った「自民党をぶっ壊す!」の呪文で、小泉さんがまさかの大勝。あっぱれ。狙い撃ちのミラクルだった。

自民党総裁選は、欲と知と運を凝縮した人間ドラマでもある。次の総裁選でも“まさか”はあるのか。告示は9月8日、投開票は20日だ。

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