少子化対策税制の切り札!?

扶養家族が多ければ税率ダウン「N分N乗方式」って何だ?

2006.09.07 THU

先日、日本が少子高齢化で世界一になった、といううれしくないニュースが報じられた。そんななか、少子化対策税制のひとつとして登場してきたのがN分N乗方式。さて、いったいどういうものなのだろうか。

N分N乗方式は、フランスで導入されていた所得税の課税方式で、個人ではなく家族全員の所得から世帯の課税額を計算する方式のこと。フランスではこの方式の導入により、少子化を克服したといわれているスゴイものらしいのだ。具体的な算出方法は、世帯を構成する家族全員の収入を合算し、合計額を世帯の人数(N)で割る。その金額から、所得税率が適用されない一定の控除を差し引き、その残額に税率を適用したうえで、再び家族の人数分(N)をかけて、世帯の納税額を決めるというもの。まあ、簡単に言うと「扶養家族が多ければ多いほど税率が下がる」ということであり、少子化対策にうってつけに思える。

だが、ここで問題がある。このN分N乗方式を現在の日本の税制で適用すると、子供がいる年収1000万円以上の高所得者層ほど減税効果が大きくなり、年収500~600万円ほどの低中所得者層にはほとんど減税効果は期待できず、そのうえ現在と比べて増税になる可能性もあるのだ。というのも、N分N乗方式を導入しているフランスでは、所得税の課税単位を家族としており、一方、日本では個人を課税単位としている。この違いにより、日本でN分N乗方式を導入しても、世帯の誰か一人が高所得な場合以外、少子化対策にプラス効果は働かない。そのため政府では、税制面での抜本的な改正も検討しているそうだ。

たしかに、N分N乗方式によってフランスの少子化は後退した。だが、子供がいる家庭を優遇する制度が多数存在している、という前提があっての後退であることも忘れてはならない。ただ税制を変えるだけで少子化対策とするのではなく、出産・子育てを支援する国としてしっかり取り組んでもらいたい。

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