北朝鮮は人工衛星と主張

「テポドン」はミサイルの名前ではないって知ってた?

2006.09.07 THU

ワールドカップに日本中が沸いていた今年の7月5日に、テポドン2号が発射されたことはまだ記憶に新しい。でも、テポドンと騒いでいるわりに、それがどんなミサイルなのかは、あまり知られていないようだ。

そもそも「テポドン」は、ミサイルの本名ではない。「白頭山」がその正式名称であり、「テポドン」は、米軍の偵察機が初めて、このミサイルの存在を確認した地名が大浦洞(テポドン)であったことから名づけられた、コードネームなのである。だから、北朝鮮国内では「テポドン」といっても、ミサイル名としては通じないのだ。

さて、そのテポドンが発射されたとき、北朝鮮側は「人工衛星の実験である」と発表していた。苦しい言い逃れを、と思った人も多いだろうが、メカニズムとしてはテポドンのような弾道ミサイルと人工衛星はよく似ている。どちらも、発射後、大気圏外まで高度を上げ、燃料を使い切ったロケット部分を切り離すところまでは一緒。その後、人工衛星は地球を周回するのに対し、弾道ミサイルは、放物線を描いて目標地点に達する。つまり表面的な構造はほぼ同じ。違うのは、弾頭に衛星を積んでいるのか、爆弾を積んでいるかという点だ。

7月発射されたテポドン2号が、1号やノドンと大きく異なるのは、その射程距離。正確な数値は不明だが、米国防総省では4000~6000kmと推定しており、これはアラスカにまで達する距離だ。

日本であれば、テポドン2号ではなくノドンの射程で十分。したがってテポドン2号の発射は、米朝交渉を有利に進めるためのアメリカへの威嚇やミサイル輸出のためのデモンストレーションという見方が一般的だが、アメリカにはすでに迎撃システムが備わっているため、北朝鮮の思惑通りにはなかなか事が進まない。

05年11月以来、6カ国協議も中断。米朝直接対話の兆しも見えてこない。東アジア情勢は、いまだ暗中模索の状況が続いている。     

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