いつのことだか思い出してごらん

名言・失言で5年半の小泉政権と支持率を振り返る

2006.09.21 THU

敵をつくり、テレビの向こうでファイティングシーンを演じてみせる。武器はワンフレーズ。必殺技は開き直り。それが小泉首相だった。

2001年4月の総裁選で「自民党をぶっ壊す!」と宣言して圧勝。小泉内閣発足時の支持率は歴代最高の84%を記録した。

が、翌02年1月には、問題続きの田中眞紀子外相(当時)を更迭。外務官僚との対立で、テレビカメラの前で泣いてみせたマキコについて、小泉首相は一言、「涙は女の武器というからね」。支持率は40%台に急落。内閣の高支持率が、主婦層のマキコ人気に支えられていたことを露呈した。

だが“小泉劇場”のテーマはサプライズ。これからが本編だ。9月に初の日朝首脳会談で金正日に日本人拉致を謝罪させ、支持率は60%台に回復。翌03年1月、国債発行30兆円枠などの公約違反を国会で追及されると、「この程度の公約を守れなかったことは大したことではない」と啖呵を切り、支持率は40%台に。7月の党首討論では、「(イラク国内で)どこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か、そんなこと私に分かるわけがない」と放言し、低迷を続ける。

ところが、9月に突如60%近くまで急上昇。安倍幹事長を誕生させたサプライズ人事の成果だった。年金改革や経済政策への不安から支持率が下降すると、翌04年5月に再訪朝し、拉致被害者の家族の帰国で50%台に回復。小泉マジックと呼ばれた。

昨夏の郵政解散では、「ガリレオ・ガリレイはそれでも地球は動くと言った」。郵政と地動説の関係は不明だが、テレビ映えは抜群だった。「死んでもいい」とも言った。死ぬはずなどないのだが、国民はこの演出を面白がった。結果、生まれたのは歴代最大の怪物与党。ホリエモン問題では、「どんな人であってもすべてを分かったうえでつきあうことはできない」と開き直った。

舞台は、現実から切り離されるほど力を帯びる。小泉劇場もそれと同じだ。国の現実とは関係なく展開する、ただのフィクションだったのかもしれない。

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