訪中、訪韓は成功したが…

海外メディアが伝える安倍政権の外交天気図

2006.10.19 THU

海外メディアの安倍さん評は、全体的に辛口だ。それもそのはず。安倍さんには閣僚経験がなく、これといった実績もない。海外から見れば評価のしようがないのである。人気のよりどころはただ一つ、北朝鮮の拉致問題しかないと、むしろ日本国民よりも冷静に新首相を分析し、「ナショナリスト」「タカ派」と呼んで警戒モード。特に外交手腕を不安視する報道が目立つ。各地を順に見ていこう。

中国では各紙が安倍内閣誕生を1面で取り上げ、新政権のアジア外交について「不安にさせる懸念と憂いがある」(中国共産党機関紙・人民日報)と評した。だが先の訪中で、評価は好転。靖国参拝について明言を避けていることも、「周囲の意見に耳を貸す知者」(同前)と肯定的な印象を与えているようだ。

一方、韓国では意外に、風雨はかなり弱まる。安倍さんの父の「晋太郎氏は政界きっての親韓派だった」(朝鮮日報)り、夫人が熱烈な韓流ファンであることが報じられており、日韓関係の回復を期待する論調が大勢だ。

むしろ米国メディアの方が手厳しい。ワシントン・ポストは「小泉は右傾的な誤りを犯しがちだったが、安倍にはさらにその危険性がある」と指摘。やはり日中関係が気がかりなのだ。米中の経済的な結びつきが強まる中、東アジア最大の同盟国の日本にも、中国と仲直りしてもらわなければならない。内閣発足の翌日、ニューヨーク・タイムズは社説で、「靖国参拝をやめると宣言することがその第一歩だ」と主張した。

英・仏・独などの欧州メディアも同様で、安倍さんの歴史認識と東アジア外交の行方を憂慮する。自衛隊の強化策については「新たなブッシュ」(独フォークス紙)との表現もあった。また、露メディアも新首相をタカ派の改憲論者だと伝え、近隣諸国に厳しく臨む政治家だと解説している。

北朝鮮の核実験問題で、早くも高度な外交手腕が問われる安倍政権。国民は「快晴」マークを待っている。

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