著書とかでいつも口にしているけど

安倍首相のおじいちゃん岸信介ってどんな人だったの?

2006.10.26 THU

安倍さんが首相になって1カ月。この間、国会答弁などでその考え方を何度も聞いてきたが、やっぱり安倍さんの言葉って何かわかりづらい。いったい安倍さんってどんな政治家なのか、そう思っている人は少なくないはず。

じつはそれを考えるうえで知っておきたい人物がいる。安倍さんの祖父で「昭和の妖怪」といわれた元首相の故岸信介。安倍さんは祖父を政治家としてもっとも尊敬していると語っていて、著書でもその政治姿勢を継承すると書いている。岸信介を知ることは安倍さんを知ることでもあるのだ。

じゃあ岸信介とはどんな人だったのか。旧満州の高官で、太平洋戦争を始めた東條内閣では重要ポストを歴任。敗戦後にはA級戦犯容疑者として逮捕されたりもしたのだが、岸信介を語るうえでいちばん重要なのは、なんといっても「60年安保」だ。

1951年、当時の吉田茂首相が結んだ日米安保条約は日本に極端に不利なもので、その後首相になった岸は60年にこれを対等に近いものにするため新しい条約にしようとする。ところが、安保に反対するデモ隊が国会をとり囲み、岸は自衛隊の出動を要請するなど大騒動に発展。結局、安保は改定されるが、岸は騒動の責任をとり退陣に追い込まれてしまう――。これが「60年安保」で、いろんな見方はあるが、ようするに岸という人は日米関係を強化しつつ同時に日本を自立させるという、現在の政府のスタンスの原型をつくったのである。

実際、岸信介が安保改定とともに生涯をかけてやろうとしていた政治目標は自主憲法の制定で、これはいまの自民党、そして安倍さんの政権公約とまったく同じ。安倍さんが憲法改定にこだわるのには、おじいちゃんの悲願という理由もあったのだ。

「わかりづらい」と言われる安倍さんだが、そう考えると、その政治姿勢はむしろわかりやすくもある。岸信介が亡くなって来年で20年。20年後に孫が首相になってその考えを受け継ぐなんて、やっぱり「昭和の妖怪」と言うしかない。


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