50年間で約3800万人も人口が減る!?

「将来人口推計」って何のために、どうやって計算してるんですか?

2007.02.01 THU

昨年末、「50年後、人口が8993万人に!」というニュースが報道された。これは「将来推計人口」の最新版で公表された数値で、国立社会保障・人口問題研究所が5年に一度算出しているものだ。国勢調査などのデータを基に、日本の総人口や年代構成の推移を50年後まで推計しており、コーホート要因法で算出されている。

コーホートとは“20~24歳”などの年齢階級で表される世代のこと。年齢階級ごとの時間的な変化(出生、死亡、移動)を基準に人口の変化をとらえる方法だ。この方法で推計するには、男女年齢階級別に分類された(1)国勢調査を基にした基準人口、(2)過去の実績から計算した将来の出生率・生存率、(3)将来の国際人口移動数(率)の仮定値が必要。出生と死亡は人口変動の主な要因となるため中・高・低位の仮定の値が設られ、各3通りの推計が出される。

こうした人口推計は世界各国で行われているみたい。なぜこんなに綿密に計算する必要があるの?

「将来的な国の政策を打ち出したり、民間企業でもマーケティング計画を立案するうえで、人口の規模と構造が不明だと見通しが立ちません。長期計画を打ち出すときのひとつの基準とするために出しています」(国立社会保障・人口問題研究所 金子氏)

推計人口に関するデータを政策に取り入れ、成功した国もある。フランスでは94年、合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計した数値)が1.65まで低下した。そこでフランス政府は育児休暇や休業補償制度を手厚くし、人口問題を最優先にした政策を迅速に立案。06年には合計特殊出生率を2.00まで上昇させた。出生率低下による人口減少への危機感が政治を動かしたわけだ。

このほか、日本でも問題になっている年金や医療保険負担なども、将来推計人口に基づいて政策立案されている。そう考えると細かい計算で人口を推計するのって、やっぱり重要なんだなあ。


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