06年度版「年次改革要望書」の中身

アメリカ様。今年の日本へのご要望は?

2007.02.08 THU



写真提供/AFP=時事
今年も「年次改革要望書」の季節がやってきた。R25では何度も紹介したので知っている人も多いと思うが、これは正式には「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」といって、米国通商代表部と外務省のあいだで毎年交わされる規制改革などの要望書のこと。簡単にいえば、アメリカ様が日本にいろんな要求をつきつけてくる一種の“外圧”だ。

ちなみにこの要望書によって実現したおもな法改正には、あの郵政民営化をはじめ、こんなものがある。外国企業の活動を助ける商法改正に会社法の制定、人材派遣の自由化。また会計基準の国際統一、司法改革制度――。つまり小泉さんの構造改革とかなりの部分がダブるわけで、さらには耐震強度偽装事件の一因となった98年の建築基準法改正も、じつは米国の要望だった。

では今回、米国は日本にどんな要求をしてきたのか。最新版の目玉はズバリ、「三角合併」のさいにすべての外国株式を使えるようにすること。三角合併とは、外国企業A社の日本の子会社B社が資本関係のないC社と合併するとき、C社の株主に合併の対価としてB社株式ではなく親会社のA社の株式を渡せる仕組み。もともと昨年5月に施行された会社法にもりこまれていたのだが、日本の経済界には「そんなものができたら時価総額の大きい外資に日本企業がバンバン買収されてしまう」との不安が強く、1年先送りされた経緯があった。そのため、米国は今回の要望書で日本政府に、「ややこしい手続きとか制約なしに、ちゃんと三角合併できるようなルールをつくれ」とプレッシャーをかけてきたのである。

あいかわらずアメリカ様は自国の利益に正直だが、ここで興味深いのは安倍さんの対応だ。小泉さんは米国に従順だった首相で、一方の安倍さんは米国とともに日本の経済界にも従順な首相。アメリカ様の要求か、それとも国内経済か――。今回の年次改革要望書によって安倍さんの姿勢がひとつはっきりするかもしれない。


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