「幸せって何?」小国ブータンの国是

国民総生産ならぬ、国民総幸福量って何だ?

2007.03.08 THU


GDPでは世界161位というヒマラヤの小国ブータンの思想に、注目が集まっている。GNP(国民総生産)、GDP(国内総生産)など生産量を示す「Product」ではなく「幸福(Happiness)」を基準とした「GNH(国民総幸福量=Gross National Happiness)」という概念を国是として掲げているためだ。この思想、じつは国連でも評価され、日本でも05年に外務省の主催でシンポジウムが開かれていたりする。

しかし、抽象的な概念である「幸福」の量をどうやって算出するのか? そもそも、そんなことが可能なのだろうか?

「GNHという概念は、76年にブータン国王が発した“GNPよりGNHの方が大切だ”という言葉から始まったものです。当時、21歳だった国王が、その詳細をどこまで考えていたのかは疑問ですが」と語るのはGNH研究所代表幹事の平山修一さん。

「幸福の感じ方は個人の価値観による部分が大きいですし、人によって何を幸福と感じるかは違いますから、数値化することにあまり意味があるとは思いません。しかし、幸福を支えるもの、幸福を感じるための社会整備の部分。例えば教育や医療などは、数値化することができるかもしれません。ブータンでは、経済成長と開発、文化の保護と振興、環境の保全と持続可能な利用、よき統治、の4つをGNHを支える柱と規定し、その数値化に取り組んでいます」

あまりピンと来ませんが、経済成長やその指標であるGDPも重要ということ?

「経済成長は欠かせない要素です。しかし、GDPの数値は、人が不幸になることで上昇する場合もあります。天災などの復興や、治安が悪くて防犯グッズが売れた場合でもGDPは上がります。GDPの成長と人の幸福は必ずしも比例しないのです」

冗談のようだが、ブータンの国勢調査には「あなたは幸せですか?」という質問がある。その質問に「NO」と答えた国民は人口の3%。日本人は同じ質問に何と答えるだろうか。

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