安倍さんが演説でよく使うフレーズ

「戦後レジームからの脱却」ってどういう意味なんですか?

2007.03.08 THU



写真提供/時事通信
安倍首相といえば「美しい国」が有名だが、もうひとつ、演説などでよく使う言葉に「戦後レジームからの脱却」というのがある。たとえば、通常国会冒頭の演説でも安倍さんはこんなことを言っていた。「戦後レジームを見直し、新たな船出をすべきときがきた」。

しかし、まえから疑問に思っていたのだが、「戦後レジーム」って何のことなのか。そもそもレジームとはフランス語で体制のことで、フランス革命のときに、それ以前の旧体制や古い秩序を表わす「アンシャン・レジーム」という言葉が生まれたのがはじまりだという。つまり、戦後レジームとは戦後ずっと続いてきた日本の体制を指すわけだが、では戦後体制とは何なのか。

安倍さんの言葉を咀嚼すると、それはどうやらこういうものらしい。「この国をかたちづくる憲法や教育基本法など、日本が占領されていた時代に制定されたまま半世紀以上経ったもの」。もう少しわかりやすくいえば、憲法や教育、安全保障と、古い時代につくられた基本的枠組みの多くがいまの時代の変化についていけなくなってしまっている。だから見直しましょうというのが安倍さんの理屈で、その頂点にあるのが自民党の悲願でもある憲法改正なのだ。

いいか悪いかはべつにして、安倍さんはこの「戦後レジームからの脱却」を公約に掲げて首相になった。安倍さんが昨年、戦後教育の指針だった教育基本法を約60年ぶりに改正し、防衛庁を省に昇格させたのはそのためで、いまの通常国会で憲法改正のための手続き法である国民投票法案の成立に意欲をしめしているのも、すべて戦後レジームからの脱却のためというわけだ。

もっとも、みんなが安倍さんにそれを望んでいるかといえばそうでもない。安倍内閣の支持率低下のおもな原因は、閣僚の不祥事などに加え、安倍さんの政策優先順位と国民みんなの期待にズレがあるから。格差是正などの生活の問題か、それとも自分の政治的理想か。いま安倍さんが問われているのはそこかもしれない。


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