アメリカ以外では初めてのケース

日本とオーストラリアが安全保障で協力する理由

2007.04.26 THU



写真提供/時事通信
この3月、日本とオーストラリア(豪州)は「安全保障協力に関する日豪共同宣言」を発表した。あまり話題になっていないが、日本が安全保障で協力関係を結ぶのは米国以外では初めてというから結構重要な話だろう。ところで、今なぜ豪州なのかが疑問だが…。

そこで、安全保障論の専門家で、『朝まで生テレビ』などでもおなじみの拓殖大学国際学部教授・森本敏先生にこの共同宣言の背景、狙いを聞いてみた。

「まず、第一にここ15年ぐらい、日豪は通商関係だけでなく、国際社会の平和と安定のために緊密に協力をしてきました。たとえば、イラクのサマワでは自衛隊が豪州軍によって守られていたし、東ティモールでは日豪が共同でPKO活動を行ってきました。スマトラ沖地震でも日豪が協力して救助活動を行っています。アジア太平洋地域で日本が価値観を共有でき、協力できる友好国というと、米国以外では豪州が一番。たとえば、日本と韓国、日本と中国は残念ながら歴史的なわだかまりがあって、なかなかそれができません」(森本先生)

次に日豪は安全保障で協力できる分野が非常に多いという。豪州は米国のように武力を行使して…という考え方はあまりない国。そうではなく、災害救助、テロ対策、平和維持活動、核不拡散のための活動など、協力できることがいろいろあるのだ。

「これは表立ってはいわれていませんが、米国にアジア太平洋地域へ関心をもたせておきたいという狙いもあるでしょう。将来的には日米豪3カ国の同盟関係に発展させ、さらにそこへほかの国が加わることも考えられる。そういう将来を展望したアジア太平洋地域での多国間安全保障協力の基礎となるものといえます」(同)

ちなみに一部メディアはこの共同宣言が軍拡を進める中国への包囲網を意識したものではないかと指摘しているが、日豪の首相は会見でこれを否定している。

とにかく、アジア太平洋地域がより安全になることを願うばかりだ。


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