冷戦体制を終結させた男逝く

エリツィンてやっぱり凄かった!?旧ソ連解体をプレイバック

2007.05.31 THU



写真提供/Sergei Karpukhin/REUTERS/AFLO
91年の旧ソ連解体をリードし、ロシアの政治・経済改革を推進したボリス・エリツィン前大統領が4月23日死去しました。90年代に学生やってた世代には名前くらいしかピンと来ませんが、どれだけすごい人だったの?

「彼の最大の功績はロシアに自由・民主主義・市場経済を導入したことです。旧ソ連時代は共産党の一党独裁、言論の自由も全くありませんでした。エリツィンのおかげで多党制が導入され、言論や信教が自由になったのです」とモスクワからメールをいただいたのは、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』発行人の北野幸伯さん。

そもそもソ連崩壊のはじまりは、85年のゴルバチョフ書記長就任から。社会主義内での自由化と民主化を推進したゴルバチョフ。その影響で起こった東欧諸国の民主化が、ソ連邦内の独立感情を刺激。ゴルバチョフは軍事介入や直接対話を試みるも、91年3月にリトアニアが独立宣言。同年8月ソ連を構成する共和国の自治拡大を認めようとしたゴルバチョフに対し、共産党守旧派のヤナーエフ副大統領がクーデターを起こします。これが失敗したことによりソ連の崩壊が決定的なものとなりました。

「クリミアで幽閉されたゴルバチョフ大統領に対し、ロシア共和国大統領(※州知事にあたる)だったエリツィンはモスクワで反クーデター軍を率いて戦いに勝利します」

一躍英雄となったエリツィンは、91年12月ソ連に代わる独立国家共同体(CIS)創設を主導し、ソ連を消滅させます。

「エリツィンの汚点はソ連崩壊後の経済改革に失敗したこと。92年のGDP成長率はマイナス14.5%で、インフレ率は2600%。国民の貯金をパーにしたので年齢が上になるほど彼の人気はありません。さらに崩壊後は新興財閥との癒着等で政権末期は支持率が5%を切りました。そこで引退後の安全を保証する後継者としてKGB出身のプーチンを選んだのです」

晩年はともかく冷戦終結の歴史的英断は後世に語りつがれるでしょう。


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