いつのまにか成立してましたけど

「海洋基本法」で何がどう変化するの?

2007.06.07 THU



写真提供/時事通信(水産庁提供による)
先日、圧倒的多数で可決された「海洋基本法」。自民・公明の与党に加え、民主や共産、国民新などの野党からも異例ともいえる支持を得て(反対したのは社民のみ)成立したこの法律、いったいどのようなものなのか。

これまで、海洋政策を担当する省庁は、国土交通省をはじめ外務省、経済産業省、防衛省など8つにわかれていた。「海洋基本法」では、海洋政策を専門とする“海洋担当大臣”を設置して、各省庁を横断する案件での調整を一元化。さらに首相を本部長とする“総合海洋政策本部”を内閣に新設し、国として海を計画的に管理していこう、というもの。同時に成立した「海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律」は、排他的経済水域(EEZ。経済的な管轄権は沿岸国が持つが、航海については自由な海域のこと)にある開発施設などの周辺への立ち入りを制限するものだ。

成立の背景には、東シナ海でガンガン進められている中国の石油・ガス田開発などをけん制しつつ、日本の資源開発を保護する必要が高まってきたことがある。後手にまわっていた法整備をようやくはじめたというところだ。

とはいえ、近隣諸国との領有権問題がより表面化してしまう危険を指摘する声もある。日本の周辺海域での軍事的なバランスに刺激を与える可能性は…?

「ひとくちに軍事バランスといっても、それは外交や経済といった要因と密接に絡み合っているもの。今回は、中国や韓国、台湾、ロシアなど近隣諸国との交渉に使える新しい道具を手に入れたわけですから、ムダなモメごとの抑止に役立てればいいだけです」(軍事評論家・岡部いさくさん)

領土のすべてを海に囲まれた海洋国家としては、この種の法律が必要なのは当然なのだが、これまでは各省庁間のすり合わせがうまくいかず、棚上げされてきた経緯がある。海洋担当大臣が新設されるとはいえ、その手足になるのは各省庁。スムーズな動きを期待したい。


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