なにかと話題の官僚組織の謎

「次官」なのにどうして事務次官がトップなの?

2007.07.12 THU

官僚とその組織が諸悪の根源のようにいわれて久しい。最近でも消えた年金問題は官僚の問題といえるし、談合や天下りもそう。ついには政府が公務員制度改革に乗り出し、天下り規制法なんてものも成立させてしまった。

いったい官僚のなにが問題なのか。たとえば天下りを例に考えると、そのひとつに「事務次官」を頂点とした独特の人事システムがある。日本の役所では、政治家が中央省庁の大臣となり、事務方である官僚をコントロールする仕組みになっているが、そこで大臣を助け、事務方のトップとして各部署を指揮するのが事務次官。トップなのに「次官」と呼ぶのは大昔の大宝律令以来の官名だからだが、とにかく事務次官はキャリア組の高級官僚のなかでも最高位の役職として官僚機構に君臨してきたのだ。

この事務次官を頂点とする人事には大きく分けて2つの問題がある。まずひとつは人事が官僚の聖域となっていること。次官の下のポストには局長や審議官がいて、人事では、次の事務次官をこうした人から選ばなければならないとかいろんな制約がある。たとえ大臣でも自分の判断で優秀な人材を抜擢することが難しく、これでは政治が官僚組織をコントロールするというシステムが機能しているとはいいがたいのだ。

もうひとつは、事務次官と同期の官僚は辞めなければならないということ。事務次官は官僚による出世レースのゴールで、じつはお役所では、新しい事務次官が誕生すると競争に敗れた同年次のキャリア組はいっせいに退官するのが慣例となっている。次官になるのは50代後半。その歳で優秀な官僚が引退するはずはなく、多くの官僚が当然のように自分のいた役所とかかわりの深い企業に天下っていく。天下りがなくならないゆえんで、政・官・業の癒着はこんなところにも原因があるというわけだ。

官僚組織のうみが表面化したのは12年前、1995年の旧大蔵省の不祥事からだった。さて、公務員制度改革は官僚を変えることができるのだろうか。


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