参院の与野党逆転で注目

行政を監視する武器「国政調査権」とは?

2007.10.11 THU



写真提供/時事通信
参議院で野党の民主党が第一会派となった“逆転国会”。いろいろいわれているけど、具体的になにが変わるのか。じつは、多数派になったことで野党が手に入れた強力な武器がふたつある。ひとつは首相や閣僚の政治責任を問う「問責決議案」。内閣不信任決議案と違って総辞職や解散に追いこむような法的拘束力はないが、可決されれば国会審議が困難になったりとその影響力は大きいのである。そして、この問責決議案と並んで政府を苦しめそうなのが「国政調査権」だ。

国政調査権とはなんなのか。たとえば大きな事件が起きたとき、渦中の人物が証人として国会に呼ばれ、追及を受けるシーンをみたことがある人は多いはず。あれも国政調査権のひとつで、ひとことでいえば、衆参両院が必要に応じて国政に関する調査をおこなう権利のこと。憲法62条には「両議院は、国政に関する調査を行い、証人の出頭や証言並びに記録の提出を要求することができる」という規定があり、証人喚問や参考人招致はその代表例というわけだ。

もっとも、注目したいのはむしろ「記録の提出」という部分。もともと国会法は、衆参両院の求めがあれば内閣や各省庁は資料の提出に応じなければならないと定めている。いわば行政を監視する国会の重要な武器が記録や資料の提出なのだが、これまでは年金問題などの不祥事があっても与党が野党の資料提出要求を阻んできたという経緯があった。政官なれあいのひとつということだが、しかし、今後はそうはいかなくなる。年金記録の照合、官僚の天下りの実態。与野党が逆転した参院で野党は政府にバンバン資料の提出を要求し、自民党もこれに応じざるをえなくなるからである。

ただし司法権の独立を侵害したり個人の人権との関係もあるので、使う側もきちんと目的を持って行使するのが国政調査権という権利。あくまで使い方次第だが、国政調査権によって国会と政府にいい緊張感を生み、政府やお役所の不祥事防止に役立てばいちばんいいのだが――。


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