なかなか聞き慣れないけど…

シビリアンコントロールっていったい何だ?

2007.11.29 THU

10月末、防衛省は石破防衛相をトップとする「文民統制の徹底を図るための抜本的対策検討委員会」の初会合を開いた。海上自衛隊が米補給艦への給油量の誤りを隠ぺいしていたことを受け、組織として再発防止をするためだ。

今回、文民統制の観点から問題視されたのは、給油量の間違いをチェックする担当課長らが気付きながら上司に報告せず訂正しなかったこと。当時の福田官房長官、石破防衛相が誤った情報をもとに、国会答弁や発言をしたことなどだ。

ところで、この文民統制(シビリアンコントロール)という言葉。なんとなく習った記憶はあるが、どういった意味なのだろう? 安全保障論の専門家で、拓殖大学海外事情研究所長の森本敏氏に聞いた。

「本来は民主主義体制下において軍隊が、軍事力を背景にして独走するのを防ぐための制度のこと。自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣であると自衛隊法に明記されており、自衛官は閣僚になれません。自衛隊の活動・予算は立法府の国会で定められた法律によって決まります」

また、真実を明らかにするため制服組と呼ばれる自衛官たちが国会で発言する可能性が出てきた。自衛官に説明責任を課せばシビリアンコントロールの強化につながるとの見方がある一方、戦前の軍国主義への反省から否定的な雰囲気もあるという。それはなぜだろう? 森本氏によれば、「一自衛官が国会で答弁することは、シビリアンコントロールの制度になじみません。あくまで自衛隊については、それを統括し監督している文民たる大臣や政府委員が答弁すべきものです」とのこと。

防衛省が事態の深刻さを真剣に受けとめ、この委員会を開いたことは一種の自浄作用が働いたともいえる。今後、報告義務の徹底、情報の真偽の見極めといった指揮系統の見直しがされてきちんと組織改編されるのか、考える機に直面している。


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