道路族とか防衛族とか農林族とか

「族議員」ってどんな政治家なの?

2007.12.20 THU



写真提供/AFLO
防衛省の事務次官が逮捕されたのをきっかけに「防衛族」と呼ばれる政治家のことが話題になっている。そういえば、郵政や道路公団民営化のときには「道路族」や「郵政族」の政治家がたくさん登場し、小泉さんに抵抗勢力なんてレッテルを貼られたりしていた。

この「○×族」とか「族議員」とかいわれる人たち、むかしからよく聞くけどいったいなんなのか。簡単にいえば、族議員というのは特定の業界や団体の利益のために政治活動をする人たちのことをさす。政治家は選挙のとき、いろんな業界や団体の応援を受ける。たとえばある人には建設業者が選挙資金をだし、ある人は農協関係者に票集めをしてもらう。最初からその業界の代表として立候補する場合もある。そうやってしがらみを持った人たちが政治家となって、国土交通委員会や農林水産委員会などの各委員会で同じ利害関係を持つ議員同士で集まり、ある業界や団体の利益のために予算編成や法案審議でさまざまな政治権力を使う――。それが「族議員」で、そういう政治手法を「利益誘導政治」という。

そしてもうひとつ忘れてはいけないのが官僚の存在。官僚もまた自分たちの省庁の利益のために動く人たちで、たとえば道路建設や特殊法人といった省庁の既得権益が減らされそうになると、いろんな方法で抵抗を試みる。そういうとき、官僚たちが頼りにするのがじつは族議員。官僚は族議員に「センセイ、なんとかしてください」とかいって圧力をかけてもらい、自分たちの省庁のなわばりを守り、退官後はその業界や団体に天下っていく。「政・官・業」の癒着というやつで、日本の政治はずっとこういうシステムでおこなわれてきたのだ。

とはいえ、見方を変えると族議員はひとつの分野を長年勉強してきた専門家でもある。結局、しがらみが深い業界の利益ばかりを考え、国民みんなの利益を考えないことが問題なのだが、もはや族議員というのは日本の政治の構造的問題で、そう簡単に変わりそうもないのである。


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