難問に素朴なギモンが…

調査捕鯨というけれどいったい何を調査してるの?

2008.01.24 THU



写真提供/内山範洋
反捕鯨国と日本を含む捕鯨国との間で、激しい議論が闘わされている国際捕鯨問題。今月16日には、環境保護団体「シー・シェパード」メンバーが日本の調査捕鯨船に乗り込むという事件も。では、その「調査捕鯨」ってどんな調査をしているのでしょうか?

「調査捕鯨は、鯨の生態や資源量を科学的に調査・管理するために日本政府が(財)日本鯨類研究所に許可を与え、毎年、北西太平洋(1994年~)及び南極海(1987/88年~)でおこなっているものです。具体的には、船上からの目視調査による資源量の推定や、全長や重さなどの計測の他、年齢、性別、内臓からのサンプル収集、胃の内容物の調査など100項目以上を調査しています」(水産庁資源管理部遠洋課の日向寺二郎課長補佐)

では、調査捕鯨ではどのくらい捕獲することが認められているのでしょうか?

「現在の南極海での捕獲頭数は、ミンククジラが850頭±10%、ナガスクジラが50頭、ザトウクジラが50頭です。一方、北西太平洋における捕獲頭数は、ミンククジラ220頭、ニタリクジラ50頭、イワシクジラ100頭、マッコウクジラ10頭となっています」(日向寺課長補佐)

20年間の調査の結果、鯨のエサの種類や行動範囲、寄生虫や汚染物質の蓄積度合いなどのデータが集まり、論文も発表されているとのこと。しかし、反捕鯨国や反捕鯨団体からは“希少種”である鯨を殺す“調査方法”のものへの批判も。対立はエスカレートし、昨年の国際捕鯨委員会(IWC)総会でも議論が前に進みませんでした。

「昨年12月に日本政府がザトウクジラの調査捕鯨延期を発表したのも、IWC副議長国として、IWCの正常化をまず考えたからです」(日向寺氏)

鯨が希少種かどうかというデータひとつとっても、意見が食い違っている捕鯨問題。すぐの解決は難しそうですが、理性的な議論が行われるためには、IWCの会議正常化がまず望まれます。

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