消費者行政が一元化!?

福田首相が表明する“消費者庁”は本当に可能なの?

2008.02.14 THU

福田康夫首相が年頭の会見で「生活者、消費者が主役へと転換するスタートの年にしたい」と述べ、消費者行政の一元化に意欲を示した。その後、首相が21年度に新組織を設置するという目標を明らかにしたことで、窓口の一本化だけでなく許認可・監督権、被害者救済機能を視野に入れた「消費者庁」構想がにわかに現実味を帯びてきた。

消費者が被害者となる事件では、悪質リフォーム問題から耐震偽装問題、英会話学校のトラブルまで、対応が後手に回ってきた。トラブルが起きても、許認可の権限が省庁ごとにタテ割りになっていて横断的な対応ができず、警察沙汰になるまで何も解決しないというケースがいまだに多い。ギョーザ事件では全国の情報を集める仕組みすら十分でないことも明らかになった。

また、そもそも戦後から産業の育成を主な仕事としてきた官庁は業界との結びつきが強く、消費者の味方としては心もとないといわれてきた。社会問題化した埼玉県富士見市の悪質リフォーム問題で現場を担当した、消費生活相談員の竹村幸子氏は、「内閣府国民生活局は現場の具体的な問題にはタッチせず、国民生活センターは独立行政法人の相談窓口ですから行政権限がありません。単なる今の組織の拡充というのでは不十分です。現場としては権限のある専門機関が欲しい」と語る。

実際、市場経済が機能するためには消費者保護は欠かせないものになっているのも事実。

ただし、実現は簡単ではない。権益を失いかねない省庁は当然抵抗する。総理の身内である自民党の閣僚からの「官庁スリム化に逆行する」などの批判も意外なほど強い。実際、公務員数の削減が大きな課題となっており、新しく庁を作るには、どこかを大きく削る作業が欠かせない。さらに市場への規制強化を心配する声も。

いずれにしても、何のための消費者行政かという本質を忘れずに議論してもらいたいものだ。


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