「死にたい」「リストカット」etc…

危険なキーワード検索に対するサーチエンジン側の試みとは?

2007.12.28 FRI


自殺をうかがわせるキーワードを「Yahoo! JAPAN」の検索サービスに入力すると、検索結果ページの上部にこれが表示される
警察庁の発表によると、日本国内の自殺者数は1998年以降、9年連続で3万人を超えている。見えない明日に絶望し、自ら命を絶つ人が少なくない。

ヤフーでは12月1日より、「Yahoo! JAPAN」の検索サービスにおいて「死にたい」「リストカット」など自殺をうかがわせるキーワードが入力された場合、検索結果ページの上部に、悩みの相談を促すメッセージと「自殺予防総合対策センター」(小平市)につながるリンクを表示している。他の検索サイトではこのような取り組みはまだなく、ヤフーが初の試みのようだ。

この社会的な取り組みの背景について、ヤフーの検索事業部の宇良さんにお話を聞いてみた。

「昨今、自殺に関する報道を見聞きすることが多いなかで、『Yahoo! JAPAN』の検索サービスにおいても、『死にたい』『自殺したい』など自殺の意図が読みとれるようなキーワードの入力が少なくありません。この状況を受け、会社として何らかの形で社会的な貢献ができないものかと考え、今年の夏くらいからその準備をしていました」

今回の取り組みは、助けを求めて悩んだりしている人が、それを見て自殺以外の行動をとるきっかけを提供することが目的だという。

「Yahoo! JAPAN」では、これ以外にも2007年2月から、「麻薬」や「ドラッグ」などのキーワードに対し、麻薬乱用防止のメッセージを表示する同様の取り組みを行っているらしい。

この検索というものを、自殺を防ぐ側の立場ではどのように感じるのであろうか? 自殺予防総合対策センター自殺実態分析室の松本俊彦室長にお話を聞いてみた。

「表現の自由ということもあり、有害サイトの規制はなかなか難しいかも知れません。ですので、現実的なのは、それを規制するというより、悩んでいる方を支援できるページを増やし、良い情報を多く流すことでそこを目立たせなくするということだと思います」

なるほど。では、今後ネット社会がどのような方向に進むと良いと?

「日本には、サイトの内容や質を評価するシステムがない。これを行う専門的な機関が出てくればネットの環境も少し変わるのではないかと思います」(同)

インターネットは現代の社会でなお急速に発展し続けているが、一方でそれに対しての整備が間に合っていない部分が少なくない。ただ、社会問題になったからネットなどなくなればいいという時代でもなく、ネット社会を前提としたなかで考えていかなくてはいけない。

今回のヤフーの取り組みや松本室長のコメントはまさにネット社会を前提としたもの。今後、他の検索サイトからもそれを前提とした独自の動きが出てくるかもしれない。

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