著作権法改正案が今年中に国会提出へ

ダウンロード違法化問題何が起こっているの?

2008.01.18 FRI


今回違法とされたのは、「ダウンロード」のみで、「ニコニコ動画」や「You Tube」などでの「ストリーミングコンテンツ」の視聴は含まれない(審議会では、HDDに保存して逐次再生できる形式を「ダウンロード」、一時再生後、HDDにデータを残さない形式を「ストリーミング」と区別している)
文化庁長官の諮問機関である文化審議会著作権分科会内の「私的録音録画小委員会」。著作権法30条の「私的使用」の範囲内だった、著作権者に無断でアップされている動画や楽曲のダウンロードを今後「違法」とするかどうかについて、一昨年より激論が戦わされてきたが、2007年12月18日に開かれた第15回会議で、条件付きながらついに「違法化」の方向で結論がまとめられた。

同委員会の委員でもあるジャーナリストの津田大介氏は、経緯を次のように語る。

「『ダウンロード違法化』をとくに強く要望したのは、正規の楽曲ダウンロードサービスを保護したい音楽業界でした。『無許可コンテンツのアップロード取り締まりだけではらちがあかないので、これまで著作権法30条で『私的使用』として認められていたダウンロード行為も違法にして、正規ビジネスを阻害するコンテンツをもっと減らしたい』という狙いがあるのです」

しかし、この「ダウンロード違法化」には、「権利者の立場を保護しすぎている」という批判も多い。委員会が設置した「パブリックコメント」に寄せられた約8000件の意見のうち、反対意見は8割に達したという。また、ネットユーザーの意見を集約・提言する任意団体「MIAU」も反対を表明している。

「インターネットのシステム自体が“ダウンロード”というテクノロジーと不可分なんです。自動的なダウンロードも多く、視聴しているものが違法コンテンツかどうか判断できないケースも多々あります。その結果、善意のユーザーまで違法となってしまう可能性がある。だからこそ、ネットユーザーや多くの技術者が反対を表明したんです」(同)

こういった批判や指摘を受け、委員会が今回出した結論では「情を知って」という一文が盛り込まれ、事情を知らずにダウンロードしてしまった場合には違法行為とはならないこととなった。また、たとえ違反したとしても刑事罰には問われない(著作権者に民事訴訟を起される可能性はある)。

「今回の結論は、かなりユーザーに配慮されてはいます。しかし裏を返せば、それは実効性が薄いということでもある。もし抑止効果がそれほど上がらなかった場合、今度こそ違反者に対して刑事罰が設けられることもありえます」(同)

キャッシュや検索エンジンの合法化とともに「ダウンロード違法化」が盛り込まれた著作権法改正法案は、今年中に国会に提出される予定だという。生活インフラとなっているインターネットでの「ダウンロード」はもはや「日常行為」。そんな「日常行為」の法的意味付けが今後どう変わるのか、専門家に任せるだけでなく、引き続き我々ユーザーも注意深く推移を見守っていかなくてはならなさそうだ。

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