歴史はなんと120年近く!

国会の常識をつくる「先例集」の中身とは?

2008.03.06 THU

ガソリン税の暫定税率を期限切れになるまえに2カ月延長する法案、「つなぎ法案」が奇策として話題になった。でも、この「奇策」とはいったいなにを基準に奇策というのか。国会法? 議院規則? じつはこうした法規とはべつに、衆議院であれば衆議院の常識を規定したルールブックがちゃんと存在するのだ。そのルールブックというのは国会の『先例集』。500ページ以上もある辞書のように分厚い書物で、120年近くまえ、なんと明治23年の第1回帝国議会から脈々と編まれてきたものだという。

実際、その中身をみると、歴史を感じさせる「先例」のオンパレード。たとえば本会議の質疑のやり方は、一問一答の各委員会と違い、質問者が登壇してなぜか質問を一気にぜんぶしゃべり、それに大臣が答える形式なのだが、これは帝国議会時代からの先例を踏襲したもの。また、国会は会期ごとに第回国会と呼ぶことになっているが、これも戦後初の国会がおこなわれたとき、各派が協議のすえに「第1回国会」と呼んだから。ほかにも、議席を左から7区に分けるとか、議員バッジをつけなければ総理も議院に入れないとか、議事進行係をもうけるとか、国会運営における細々とした先例が項目ごとに山ほど書かれている。

「国会運営上の法規としては、まず憲法が最上位で、国会法、議院規則とあるんですが、実際の議事ではもっと細かいものがたくさんでてくる。そこを補うのが先例集です。実際にやりながらいろんなことを決めていったんですね。おこなわれた事例の積み重ねで、先例集は議事運営に一定の拘束力を持っています」(衆議院事務局議事課)

もちろん「つなぎ法案」も記載されていて、1953年から70年までに4回提出されたことがある。もっとも、野党の反対を押し切ってまで提出された先例は見当たらない。そのへんが「奇策」といわれたゆえんというわけだ。ちなみに『先例集』はほぼ10年ごとに発行されていて、次は5年後、2013年の予定だという。


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