なにかとお騒がせな防衛省

「背広組」と「制服組」に分かれているのはなぜ?

2008.03.19 WED



写真提供/時事通信
防衛省がとんでもないことになっている。ここ1年あまりを振り返っても、インド洋の海上自衛隊給油活動をめぐる数々の隠ぺい疑惑に、イージス艦情報の漏えい。そして、ついこのあいだの前事務次官の汚職に、今回のイージス艦衝突事故とその後の迷走ぶり。昨年1月に「省」になったばかりなのに、なぜか不祥事が続発しているのだ。あまりの事態に福田首相も「防衛省改革会議」を設置し、防衛省の組織改革に乗りだすという。

いったい防衛省のなにが問題なのか。そのヒントになりそうなのが、今回の改革の中心となっている「背広組」と「制服組」を統合・再編するという案だ。そもそも防衛省には内局の文官と自衛官という2種類の職員がいる。「背広組」というのは官房長や防衛局長をはじめとする事務方の防衛官僚で、トップは事務次官。「制服組」は統合幕僚監部をはじめ、陸上・海上・航空の各幕僚監部の自衛官のことで、トップは統合幕僚長。この「背広組」と「制服組」がお互いに反発しあっていて、その風通しの悪い組織が以前から問題になっていたのだ。

なんで両者は仲が悪いのだろうか。その理由は、1950年、自衛隊が警察予備隊として発足したさい、戦前に軍部の暴走を許した反省から軍歴のない官僚が中心となって組織づくりをしたことにさかのぼる。その後、旧防衛庁・自衛隊が設置されてからも、長官(大臣)を官僚が補佐する防衛審議官制度をつくり、背広組が制服組を統制するシステム、文民統制(シビリアンコントロール)をとってきた。背広組には自衛官の行き過ぎを抑えるのが自分たちの仕事という意識があり、一方、制服組には官僚機構を通さないと大臣に意見もいえないという不満がある。そのへんも組織の風通しが悪くなったひとつの要因というわけだ。

それだけに両者を統合するといっても簡単な話ではないし、なによりまず必要なのは、組織のどこに問題があったのかをもういちどきちんと検証すること。そのうえで出直しをはかるべきと思うのだ。


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