「内閣人事庁」創設へ

“公務員制度改革”って何を議論しているの?

2008.04.10 THU



写真提供/時事通信
ガソリン暫定税率問題の陰に隠れがちだが、じつは日本の政治改革にとって大きな意味を持つ法案が今国会に提出されようとしている。それが「国家公務員制度改革基本法案」だ。西川伸一明治大学教授に分かりやすく解説していただいた。

「明治維新以来、日本は官僚主導で国家が運営されてきましたが、そのシステムは大きく改められることなく、現在まで続いています。つまりあまりにも長く運用されすぎたために制度疲労を起こしているんです。その結果、一部の官僚は『国益』ではなく『省益』のために仕事をしてしまっている。これを改めようということです」 

では、どのようにして改革するのか。

「一番は、入り口の改革。現在、各省庁が人材を独自に採用している国家公務員を国が一括採用し、適性を踏まえて各省庁に振り分ける必要があります。もう1つは、採用試験制度の見直し。現行では国家公務員試験がI種、II種、III種と分かれており、I種に受かったキャリア官僚だけが出世を約束され、それにあぐらをかき、一部には不正を働く者さえいる始末です。これを能力主義的な見地から改めようというのが今回の公務員制度改革です」(同)

法案では、大学卒業者対象の資格試験を一般職、専門職、総合職へと変更し、総合職は新たに設ける「内閣人事庁」が一括採用し、各省庁に配属することを目指す。内閣人事庁は、公務員の幹部人事を一元管理する役目を担った公務員制度改革の目玉的存在だ。ところが人事庁を巡って、官僚だけでなく、与党内ですら異論が噴出。当初、人事庁が各省幹部人事を直轄管理する予定が、法案では人事庁も候補者の推薦はするが、従来通り各閣僚が人事管理する方式とになり、トーンダウンした印象。ただし、それでも明治時代から続く官僚主導型からの政治主導型への転換を図る改革のシンボルとしてその存在感は大きい。国を根本から変える可能性すらある公務員制度改革の今後に注目してゆこう。


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