チベット騒乱のキーマン

「ダライ・ラマ14世」っていったいどんな人?

2008.04.17 THU



写真提供/ロイター/アフロ
中国のチベット自治区で大規模な暴動が起き、たくさんの死傷者がでてから約1カ月。中国に対する国際社会の批判はどんどん高まり、とくに欧州各国からは北京五輪の開会式をボイコットすべき、なんて声もでている。

それにしても、このチベット騒乱、いったいなにが原因なのか。そもそもの始まりは1950年、建国直後の中国が「チベットは中国の領土の一部」とチベットに侵攻したことにさかのぼる。もともとチベットは独自の文化を持ったひとつの国で、チベット仏教をみんなが熱心に信じている。そのチベット仏教の最高指導者で、政治的指導者でもあるのが「ダライ・ラマ14世」─。

じつは、ダライ・ラマは世襲制でなければ選挙で選ばれるわけでもない。先代の没後、高僧の予言をもとに次の生まれ変わりを探してくる「輪廻転生制度」で継承されていて、つまり、現在のダライ・ラマは14回にわたって輪廻を繰り返してきたということ。少なくともチベットの人たちはそう信じていて、すごく尊敬しているのである。

だが、チベットが中国の一部となったことでダライ・ラマ14世はインドに亡命せざるをえなくなり、北インドのダラムサラに亡命政府を樹立。そのうえダライ・ラマがいなくなったチベットでは寺院が壊されたり、チベットの人たちが不当な扱いを受けたりしたために、僧侶たちが抗議デモをし、それを中国当局が弾圧するということが何度も繰り返されてきた。実際、暴動が起きた3月10日はダライ・ラマが亡命したチベット動乱からちょうど49年にあたる。

もっとも、ダライ・ラマ14世は独立を求めているわけではなく、チベット人による高度な自治を求めているにすぎない。89年にはその非暴力の活動が認められてノーベル平和賞も受賞している。しかし、中国はその主張を認めず、今回の暴動も「ダライ・ラマが首謀者」と非難。そしてその中国を国際世論が批判するというのが現在の構図なのだ。北京五輪まで約4カ月。両者が話しあう機会は訪れるのだろうか。

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